決断

妊娠への条件

薬を服用しながらの妊娠になる場合、どこが一番ベストな状態なのかの判断が大切になります。母親の体を安全に保ち、すこしでもリスクが低い状態。薬の種類、量、体調など、もちろん、医師の適切な判断が大切です。

私は、いくつか病院を変えましたが、医師からの診察で共通していたのは、この2点でした。

  • 単剤にする。
  • 1年発作がないこと。

私の場合、どうしても1年以内に発作が起きてしまい、踏み切れないまま時間が過ぎました。

溢れた気持ち

妊娠を望んで3年目を過ぎた頃から、私の体は、コントロール出来なくなりました。発作が頻発し、手のしびれ、頭痛、めまい、ふいに襲う不安感、動悸、腹痛・・・様々な不調が続き、ついにはパニック障害のようになってしまいました。脳外科、内科、婦人科など何度も病院に相談に行きました。

特に原因があるわけではありませんでした。しばらくして気づきました。自分で追い詰めていたのです。「焦らずに・・・」と気持ちにゆとりを持っているつもりが、子供への想いが強くなるとともに、自信が揺るぎ始めたのでした。子連れのお母さんを見たときの、ひがみのような醜い気持ち。一生無理なのかもしれない・・・と里親制度について調べたこともありました。

気持ちが弱ったことによって、毎日の生活が苦しいものになりました。このままでは自分がダメになると思い考え直しました。そして、素直な気持ちを担当医師に相談することにしました。

  • 子供を望む気持ちは消えず、今のままでは普段の生活が困難だということ。
  • 今までの状態から想像して、きっと自分は一生薬を飲み続けるだろうと思うこと。
  • 現在の薬の状態が、自分にとってはこれ以上ないベストの状態だと思うこと。
  • それを信じて、薬を服用しても90%の確率へ望みを託したいということ。
  • そうすることが、精神的負担をなくし、自分の体にはいい影響があると思うこと。

その場では、気持ちをきちんと伝えられる自信がなかったので、手紙を書いて渡しました。

決断した理由

担当医師は、気持ちを理解してくれました。今の私に出来る限りの注意をしながら、妊娠を考える「決断」が出来ました。この「決断」に至るまでには、もちろん主人の理解と支え、友人のサポートがありました。

友人からの言葉。
「高齢、喫煙、飲酒、不規則な生活・・・・その人達にもリスクあるよ。あんたとの違いはどれだけのものなの?」 驚くほど、胸がスッキリしたのを覚えています。

私は、子供の心配をしているだけですが、主人は、私と子供の両方の心配があります。色々な面での不安や葛藤があったようです。それでも、私の気持ちを優先してくれました。子供のリスクについても、「生まれた子は、自分たちの子供だから」だという言葉をくれました。当たり前のようですが、私には、この言葉が強い支えになりました。

人により、発作の程度や生活環境は異なります。そんな中、医師の基本的な判断基準があるのは確かです。「病状」、「感情」どちらを優先して決断するか。「病状」を優先するのが正しい選択でしょう。でも、私は「感情」を優先してしまいました。その結果、「病状」が落ち着きました。体調不良は、ぴたりとなくなりました。